ジャーナリスト Kei Nakajima

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特筆記事

2004年4月30日(金)
特筆記事
『チルソクの夏』
出演:
水谷妃里、上野樹里、高樹澪 ほか 監督:佐々部清(日本映画)
★★★★★
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内容:舞台は1977年の下関。年に1度、韓国・釜山と下関との間で開催されていた陸上競技大会に出場した高校生の女の子が釜山の高校の男の子と出会い、初恋をする物語。出会った7月7日の七夕は韓国語で「チルソク」という。翌年のチルソクに会う約束をした2人だが、まわりの日本人の韓国に対する偏見、韓国人の両親の反対に合う。女の子を取り巻く陸上部の同級生の友情も描く。

感想:最近は韓国映画続きだったが、日本人が撮った韓国を舞台にした映画って(?)と思い、半信半疑で観にいった。事前に映画評を観たら、あの幻冬舎の見城徹さんが「53年間生きてきて、もっともすばらしい映画」といったと書いてある。本当?と思ってみたが、ここ数年間で観た映画の中ではナンバーワンと思えるすばらしい映画だった。涙が何回もあふれてしまった。ラストシーンでイルカが韓国語で歌う「なごり雪」が流れる。映画館で隣に座っていた見知らぬ男性も涙を拭いていたが、最後は思わず拍手していた。映画館にいた人はほぼ全員泣いていたと思う。

 まず主人公の郁子がいい。背筋がピンと伸びてスラッとした姿勢。新聞配達をしながら陸上部で高飛びをやっている無口な女の子。映画の冒頭で20年後の郁子が出てくるが、イメージを壊さない高樹澪もいい。相手役の男の子はたどたどしい日本語で、てっきり韓国人だと思っていたが、日本人と韓国人のハーフで日本生まれだという。「冬のソナタ」にはまる日本人は、「もう日本ではあんな映画は作れない」と思って、なつかしくピュアな気持ちになったからあんなに支持したのだと思ったが、この映画を観て「
まだ日本でも、こういう映画が作れるじゃないか」と心底、感激した。本当に救われる気持ちになった。テーマはやはり「初恋」、そして「友情」だ。70年代にヒットした歌謡曲、山口百恵やピンクレディーの歌が各所にちりばめられ、日本のよき時代を思い出させてくれる。そして、下関の公園や漁港、関釜フェリーで日本の情景が映し出され、韓国と日本の複雑な関係も描き出している。今、これだけ韓国がブームになっているだけに、わずか20年とはいえ、日本と韓国がいかに遠く、難しい関係にあるかを思う。
エンディングロールはたいてい観ないで映画館を出てしまうのだが、「なごり雪」は最後まで聞き入った。韓国語が途中から日本語の「なごり雪」に変わる。これはゼッタイ、みんなに観てほしい映画だ。 


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