ジャーナリスト Kei Nakajima

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特筆記事

2005年5月1日(日)
特筆記事
『海を飛ぶ夢』
出演:
ハビエル・バルデム
監督:アレハンドロ・アメナーバル(スペイン映画)
★★★★
特筆記事

内容:125歳の男性が海の事故で四肢付随になって寝たきりになってしまい、尊厳死を望むが、愛情を注いできた周囲は戸惑うという物語。テーマは尊厳死で、実話に基づいている。

感想:前評判の高い映画だったので、GWの混んでいる時期にわざわざ観にいった。予想していたほどは混んでいなかったが、映画の冒頭から内容に引き込まれ、あっという間に2時間が経ってしまった。スペイン映画だということだけであまり下調べもしないで行ったが、内容は寝たきりの55歳の男性が自分の尊厳と自由を求めて死を望むが、常に愛情を注いできた家族は困惑し、戸惑うというストーリーだ。

尊厳死を求めた男性は女性でやはり足が不自由な弁護士、フリアに出会い、自分の気持ちを話すが、フリアは死を手伝うことができない。死とは何なのか、生とか何なのか、を考えさせる重いテーマだが、ときにユーモラスな家族の会話などがちりばめられているので、重苦しい雰囲気にならないのが不思議だ。スペイン映画にはちょっとイタリア映画に近い部分があるのかもしれない。何といってもすばらしいのは 主役を演じたハビエル・バルデムの演技。55歳の男性の役だが、実際は30代半ばで

特殊メイクをして演技したという。首から上しか動かせない、ベッドでの生活の中で表情と声だけですばらしい演技を見せてくれた。印象深いシーンは神父がわざわざ訪ねてきたとき、長い間介護をしてきた義姉マヌエラに対して「家族の愛情が足りなかった んじゃないですか」と言ったときだ。義姉の悲しそうな、それでいて毅然と否定する姿に感動した。病人や寝たきりの老人を介護した私自身も経験があるが、いつも身近にいると、つい「介護してあげているのに(わがまま言って)なんでよ」という気持ちが湧き上がるときがある。しかし、それは自分のエゴにしか過ぎない。介護する側もまた、その本人から愛情を受けているのに。日本の介護問題となるとどうしても湿っぽくなるが、ヨーロッパの映画なのでさらっとしている。最後、主人公はフリアにもらった青酸カリを使って恋人ローザの手助けで自ら命を絶つ。生きるために死ぬ、という主人公のセリフが胸に残る映画だ。


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