ジャーナリスト Kei Nakajima

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2005年5月18日(水)

『コーラス』
出演:
ジェラール・ジュニョ、ジャック・ぺラン、ジャン・バティスト・モニエ
監督:クリストフ・バラティエ(フランス映画)
★★★★★


内容:1949年のフランスの片田舎で親と別々に暮らさなければならない子どもたちと落ちぶれた中年の音楽教師がふれあい、子どもたちが合唱を通じて心を開いていく物語。歌を通して不良だった子どもたちが生きることのすばらしさ、愛することの尊さを学んでいく。

感想:すばらしい映画!!の一言。前評判が高いことは知っていたが、フランス映画にあまり興味がなかったので、GWも結局、足を運ばなかった。しかし、映画が始まるやいなや、引き込まれあっという間に1時間半が過ぎてしまった。ストーリーは単純で、始まってすぐにどんな流れになるかだいたいの予想がつくのだが、それでもまんまと引き込まれていくのは、やはり「冬のソナタ」同様、「王道」のストーリーは 人の心を揺さぶるもの、だからなのだろうか? 簡単にいえば、「3年B組金八先生」や「スクール・ウォーズ」のような子弟愛の話なのだが、そこにフランスっぽくちょっと恋愛があって、ユーモアもある。時代を映し出す質素な服装や中世を思わせる建物や景色もいい。構成はイタリア映画の感動巨編「ニュー・シネマ・パラダイス」のような感じ。似ていると思わせるのは、主人公の少年、ピエール役の成長した姿が、「ニュー・シネマ」のトトの大人役と同じ俳優、ジャック・ぺランだからだろう。ぺランは冒頭のシーンでしか出てこないのだが、哀愁と品性のある風情(日本でいえば二谷英明風の顔)がいい。しかし、何といってもすばらしいのはもうひとりの主役、音楽教師役のジュニョの名演技と、ジャン・バティスト・モニエの美しいボーイソプラノの歌声だ。映画の中で何度も繰り返される合唱のシーンは、その映像だけでなく、歌声のすばらしさにうっとりさせられる。ひとりを除いて全員が合唱団出身ではなくずぶの素人だそうだが、生き生きと歌っている。親と離れて暮らす寂しさを胸に、不良になったり、自暴自棄になったりした子どもたちがだんだんと音楽教師に惹き付けられ、歌う楽しさ、生きる喜びを知っていく姿に引き込まれた。そしてラストシーン。教室を出られない子どもたちが手紙をちぎって2階から落とす場面はちょっと「出来すぎ」にも見えるが、そのあと、意外がシーンが待っている。最年少のペピノがマシュー(音楽教師)をバス停まで必死で追いかけてくるが、マシューは とどまるようにさとしてバスに乗ってしまう。でも、そのあとのシーンで涙がどーっと あふれてしまった。「えっ、これがラストシーン?」という感じだが、冒頭の場面が目に浮かび、主人公のピエールが世界的指揮者になったこと、ペピノは教師と幸せに暮らしたことがわかって安堵する。ぜひぜひ多くの人に見てもらいたい心洗われる作品だ。

(写真:日本ヘラルドのHPより引用)


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