ジャーナリスト Kei Nakajima

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2004年9月21日(水)

『生命(いのち)』
148分、ドキュメンタリー映画
監督:呉乙峰(ウー・イーフォン)
★★★★


内容:台湾ドキュメンタリー映画界の第一人者、呉乙峰が99年9月21日に台湾を襲った大地震をモチーフにして、人間の生と死、そして家族の意味を長い歳月をかけて問い直した感動のドキュメンタリー大作。壮大なスケールと視点が話題を呼び、山形国際ドキュメンタリー映画祭2003で優秀作品賞を受賞した。登場人物は実在の台湾人4組。

感想:今日、9月21日は私のお誕生日だが、同時に台湾大地震の日でもある。昨年の台湾映画祭で絶賛されたというこの映画を見逃していたが、たまたま台湾週報で、再度上映されることを知り、御茶ノ水にあるアテネ・フランセ文化センターまでやってきた。お客の数はちらほら。見渡したところ、台湾関係者はいないようだ。今日という日に上映するのは意味が深いと思い、急いで仕事を終えてやってきた。台湾大地震は台湾中部を襲ったマグニチュード・・の地震。台湾では死者・行方不明者合わせて2400人が犠牲となった。冒頭、監督である呉乙峰の語りから映画は始まる。大学時代の親友に当てた手紙を読む。

この呉監督は台中にある逢甲大学の出身で、映画の道を目指してきたようだ。年老いた自分の父親が入院する病院を訪ねる呉。そこで「人生とは何か」「生命とは何なのだろうか?」という問いかけが始まる。映画は4組の台湾人が受けた大震災の影響を、それぞれの言葉をつないで描いていく。南投県にある九ふん二山という山では14戸が一瞬にして山中に埋まった。両親を亡くした2人の少女の嘆きと立ち直るまでが流れる。日本で働く40代の夫婦は祖母に預けてきた8歳と6歳の子どもを失った。もう一度子どもを作り、人生をやり直したい、と結婚式をやり直す。ある少女は精神障害を引き起こして自殺をしようとするが、呉監督の励ましで思いとどまり、地震から3年後に立ち直って、アメリカへと旅立つ。若い夫婦は赤ちゃんを失ったが、再起を決意するー。

呉監督は4組の家族のそれぞれを3年以上追いつづけ、同時に大学時代の親友との文通をしめくくる。ドキュメンタリーで素人が登場していること、そして大地震という重いテーマであることから、2時間以上の映画を見続けるのはつらい。しかし、最後にジーンときたのは、この親友はすでに亡くなっていて、この世にいないという事実だった。「生命がなくなっても、人は心の中に生き続けるのだ」という呉監督の言葉が胸に染み渡った。


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