ジャーナリスト Kei Nakajima

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特筆記事

2005年12月8日(木)
特筆記事
『イノセント・ボイス 12歳の戦場』
出演:
カルロス・パディジャ、レオノア・ヴァレラほか
監督:ルイス・マンドーキ
脚本:オスカー・トレス
★★★★
特筆記事

内容:1980年代のエルサルバドルが舞台。エルサルバドルは政府軍と反政府ゲリラとの内戦状態にあったが、政府軍は12歳になる少年たちを兵士として徴兵していた。政府軍が村にやってきて強制的に少年たちを連れていこうとする。その中に主人公のチャバもいた。少年チャバはお父さんがアメリカにいって以来、母親と弟、妹を支える一家の大黒柱だ。そんなささやかな家庭に戦争が押し寄せる。脚本を手掛けたトレスはエルサルバドルの出身。アメリカに亡命し俳優となり、今回、脚本を担当した。戦争の悲劇と子供たちの運命を描く胸をえぐる作品。

感想:2006年お正月第2弾公開の映画だが、映画記事執筆のために早々にビデオで見た。本当なら映画は映画館で見るものだというのが持論だが、しかたがない。南米エルサルバドルに対して全く知識を持っていなかった私だが、あまりの暗さ、銃撃戦の悲惨さに上映当初から目を覆いたくなる。家でごはんを食べていても、突然近所で銃撃がはじまって、ベッドの下にもぐりこむのだ。ビデオで見ていても胸が締め付けられるような映画、大スクリーンで見たらさぞ怖いだろう。だが、心なごむ場面もある。チャバが小学校の友だち、クリスティナに好意を抱くシーンだ。また、なつかしい叔父さんがチャバのもとを訪れる。叔父さんは反政府ゲリラのメンバーだという。チャバたちのように貧しい少年たちは心情的には反政府ゲリラの側にある。しかし、12歳になると自動的に政府軍の一員にさせられてしまうことだ。結局、チャバは母親を悲しませることを承知で、仲間とともに反政府軍のゲリラに加わることを決意する。子供たちに押し寄せる複雑な悲劇だ。映画の解説によると、子供兵士の問題は今も起きている問題だという。現在も30以上の紛争地でおよそ30万人の子供が兵士として捕らえられ、働かされているというのだ。そんな現実、全然知らなかった。今年のお正月映画は子供を主人公にした映画が非常に多いが、それも、社会的に弱い立場の子供を描くことで現代社会の闇を描いているのかもしれない。


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