ジャーナリスト Kei Nakajima

著書
特筆記事
プロフィール
My Photo Room
取材のおまけ日記
我的吃、食、eat

My Favorite Book
アジア便り
リンク
MAIL
HOME

 

特筆記事

2006年10月20日(金)
特筆記事
『幸福のスイッチ』
出演:上野樹里、沢田研二、本上まなみ ほか
監督:安田真奈(日本映画)
★★★★

特筆記事


内容:和歌山県田辺市の小さな電気店の家族と、そのまわりの人々を描く人間ドラマ。東京でイラストレーターとして働く怜(上野樹里)は自分の実力を認められずに上司と衝突し、会社を辞めてしまう。そんなとき、妹からの嘘の手紙で実家に戻ってみると父親が骨折して入院していた。怜はしぶしぶ実家の電気店を手伝うことになるが、お客様第一主義で家族を犠牲にしてきた父親に反発。ふてくされながら手伝うが、父親の真からお客様と家族を思う気持ちに触れてしだいに心境が変化していく。

感想:ひさしぶりに映画を見てすっきりしたいと思って探していたところ、ネットで前評判がとてもよかったので大きな期待をして見に行った。ありふれた家族愛、人間愛のドラマなのだが、確かに心が温まり、さわやかな気持ちにさせてくれる良質な映画だったと思う。とくによかったのがお父さん役の沢田研二。もともと関西人だからか、関西弁も板についているし、演技もうまい。かつてのカッコいいジュリーの姿は跡形もなく消えて、どこから見ても小さな電気店の親父にしか見えない。それに、入院先にいて店を心配する苛立ちがよく現れていて、とてもよかった。娘の上野樹里も本当に演技がうまい。「チルソクの夏」以来、注目していたが、最近は売れっ子で「のだめカンタービレ」にも出演している。この映画はかなり前に撮影したのだろうか?今と顔が全然違うのだが。いかにも垢抜けず、売れる前の顔、という感じだ。あるいは田舎娘のふてくされた役だから、そう演技していたのか?もしもそうだとしたら、本当に恐るべしだ、上野樹里。同じように田舎から東京に出て、仕事がうまくいかず、悩み、もがいていた経験のある私としては、上野樹里の役に共感できた。利益度外視で身を粉にして働く父親に対して、「どうして、そこまでするの」と怒りをあらわにする気持ちもすごく理解できる。
これといった壮大なテーマがあるわけではないが、日本人が忘れてしまった商売の基本、ご近所付き合い、ちょっとした他人への心遣い、そんなものを思い出させてくれた。だけど、この映画のあまりにも高い評価を見て、逆に考えさせられてしまった。そんなにすごい映画なのか、と。そして、そんなに感動することなのか、と。「always 三丁目の夕日」もそうだったけど、こんなに何気ない日本人の日常生活が、受けるのはなぜなのか?それだけ日本人の日常が違うものになってしまったから、貴重に思えるのだとしたら、今の日本人の生活はあまりにもすさんでいる。かえってそんなふうに感じられた。


Kei's電影checkに戻る


Copyright(C) 2009 Kei NAKAJIMA. All rights reserved.