ジャーナリスト Kei Nakajima

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その16
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中華学校探訪記&横浜中華街の新名所

「グローバル社会で活躍する子どもを育てたい」とわが子を中華学校に通わせる親が多い、と聞いて横浜山手中華学校に取材に出かけた。「中華学校に日本人が入学希望」という話題は数年前からニュースなどで耳にしていたが、実際のところはどうなんだろう?門をくぐると校長先生が温かく出迎えてくれた。校長先生によると日本人の入学希望者が増えてきたのは5,6年前からだという。中国が経済発展し、日系企業の中国進出がさかんになってきた投資ブームと時期的に重なる。両親ともに日本人であっても中華学校に通わせ、中国語もできるインターナショナルな子どもに育てたいという親が多いのだそうだ。

小学校低学年の授業を見学させてもらったが、教室は活気にあふれ、生徒たちは生き生きとしていた。教室の後ろに授業参観者がいれば、小学校低学年ならば後ろが気になって仕方がないのでは、と想像するが、そんなそぶりはちっともない。授業に夢中で私に気がつかない子もいる。校長先生によると「みんな慣れているんですよ。ふだんから参観者が多いですからね」とか。目についたのは教室の後ろにはテストの結果や作文がたくさん張り出してあったこと。昨今の日本の学校ならば、競争を避ける意味合いからテストの結果などを張り出したりしないだろうが、ここではすべてオープン、みんなに公開している。よい意味で子どもたちに競争や切磋琢磨をさせ、学力を伸ばそうという意気込みが感じられた。授業はほとんどの科目を中国語で行うが、日本語の授業もある。父兄のひとりは「インターナショナルスクールとは違い、日本語もしっかりやってくれるところが気に入った」と話していたが、なるほど、ここは欧米の大学に進学するための学校ではない。あくまでも日本に根ざした華僑のための教育機関だ。卒業後も日本で暮らしていくのだから、日本語もしっかりと学ぶ必要があるというのはうなずける。実際、中学を卒業すると東京や神奈川の高校に進学していくという。

さて、取材の帰りに久しぶりに横浜中華街に立ち寄ってブラブラしてから帰ることにした。中華街は何年ぶりだろう?って感じだが、やっぱり街はかなり変わっていた。大通りは変わらないのだが、裏通りの店はけっこう入れ変わっているし、第一、真新しい建物がどーんと建っていたのだ。それは横浜媽祖廟(=写真)。訪れた日は媽祖廟がオープンしたちょうど3日後。平日だったが、大勢の観光客でにぎわっていた。媽祖廟とは航海通商の安全と、自然災害、疾病から人々を守り、幸せや安らぎを育む女神様のこと。海に近い中国の沿岸地方や台湾、海外の華僑たちの間などで信仰されてきたという。横浜では明治時代に媽祖廟を意味する天后宮が祀られた記録があったというが、その後は消滅していた。2005年に再建プロジェクトが発足し、香港から招いた風水師に建設地を見てもらったところ、風水上、この上ないすばらしい条件を満たす場所だったとか。そして2006年3月17日に、明治時代の清国領事館の跡地である山下小公園の隣接地に建てられたという。

参考:横浜媽祖廟ホームページ
http://www.yokohama-masobyo.jp

(文・写真/中島 恵)


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