ジャーナリスト Kei Nakajima

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特筆記事

その24
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上海雑感 地下鉄編(2011年2月)

昨年秋の北京に続き、今年は上海に取材にきました。昨年と同じく、「80后」と呼ばれる若者たちの取材です。ひとりの取材は気楽でいいものですが、予算もないので、今回初めて、エアポートバスに乗りました。それ以外はほとんどすべて地下鉄の旅。郊外にまでも何とか地下鉄で行ってみて、上海市内の「広さ」を実感しました。

取材は毎日3件ほど。前夜に穴が開くほど地下鉄の路線図を見てから詳細な場所をチェック。道端で大きなマップを広げなくてもいいように、自分用に小さな乗換えメモを作りました。これなら地下鉄や道端でメモを見て確認していても、「いかにも外人」とはわからないですから。そして、朝は早めにホテルを出て、取材場所に向かいます。2ヶ月前に上海にきたときより、今回のほうが空気の汚さを感じました。上海も北京同様、地下鉄が発達していますが、いちいち荷物検査があるので、(誰も真剣にチェックしている様子はないものの)気は休まりません。毎日地下鉄に乗っていて気がついたのは、北京の地下鉄との違いでした。

まず、北京で閉口したのは券売機が壊れていることが多いことでした。何度お札を入れても機械が反応せず、お札がするっと出てきます。しまいには切符売りの係員(?)がつかつかとやってきて切符を手売りしてくれた(これじゃ、券売機の意味がないじゃないか!と突っ込みたくなりましたが)ので大丈夫なのですが、上海では(当たり前ですけど)券売機だけはきちんと作動していました。これだけでもストレスを感じずに済みます。

構内のホームに立っている人の数は北京とあまり変わらないかなと思ったのですが、服装や顔ぶれを見ていると、なんとなく上海のほうが所得の低い人が多いように見えました。でも、車内で隣同士がおしゃべりしている感じはあまりなく、北京に比べて静かで冷たい感じ。こういうところは少し東京の地下鉄に似ています。でも、読書をしている人は少なく、ぼけっとしている人が多かったような。北京では隣同士でおしゃべりしたり(もちろん、知り合いではない)、老人に席を譲ったり、車内販売があってその人にお金を恵んであげたりと忙しく、観察しているこちらもせわしいのですが、上海ではそういうことはほとんどなく、人物ウォッチングもあまり楽しめませんでした。

それに、北京では降りる駅の1つ手前になると、乗客が「降車準備」に取り掛かるのに比べて、上海では慣れたもの。地下鉄を降りるだけでソワソワする人もなく、さっさと優雅に降りていきます。でも、地下鉄の路線がかなり郊外まで延びており、一部の区間は乗り換えの接続ができていないので、いったん地上に出て、その上、3分ぐらい町を歩かないと乗換駅に到着できません。案内の掲示板は出ているのですが、切符は連続で買えませんし、かなり時間も食ってしまう上、不安になりました。

そんなあわただしい地下鉄移動の日々でしたが、中でもいちばん困ったのは、自動改札口があまり機能しなかったことでした。私の最寄り駅、「上海体育館」駅は2つの路線が通っており、かなり大きい駅ですが、改札口に切符を置いても「ピー」という音がして、切符を感知してくれず、外に出られないのです。何度もやっていると後ろの人が文句を言うので恥ずかしくて困ってしまいましたが、それを見ていた男性が、自分の切符?をさっと取り出してくれて、改札口に置いてくれて、そのおかげで外に出られました。

すぐにお礼を言おうとしたのですが、その人は笑顔を見せながらさっさと立ち去り、私もとっさに声が出ず、そのままになってしまいました。ふだん冷たく見える都会の上海でも、こういう親切な人はいるものです。こういう人に出会うと、やっぱりほのぼのとした気持ちになります。殺伐している町からこそ、余計その気持ちが胸に迫るのかもしれません(2011年4月22日記)

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