ジャーナリスト Kei Nakajima

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特筆記事

その13
特筆記事

長崎の赤いお祭り、ランタンフェスティバル

2度目に訪れた長崎はちょうど2月のランタン・フェスティバルの季節を迎えていた。福岡からJRの特急「かもめ」に乗り換えて約2時間。長崎駅に降り立つと、駅構内から大通りかけて、あちこちに真っ赤がランタンがつるしてあり、とても美しかった。ランタンとは日本語で提灯のこと。中国で旧暦の1月15日を元宵節(ユエンシャオジエ)と言い、台湾などではこの元宵節を盛大に祝うが、香港や中国ではあまり見かけない。この元宵節の日は天の精霊が空を飛ぶのを見ることができると信じられていて、この夜、雲や霧が出ていても精霊を見つけやすいように、と提灯をともして町を練り歩くお祭りが始まったという言い伝えがある。また、元宵節には「元宵」と名づけられたおだんごを食べる風習があり、このおだんごは一家だんらんを象徴しているという。中国映画に「紅夢」という真っ赤なランタンをモチーフにした映画があったが、まさにこの季節の長崎は「紅夢」のなかにいるようで、とくに夕方から暗くなってからの町の風景は幻想的だ。

日本では中国とのゆかりが深い長崎で平成6年から規模を拡大し、観光客へのアピールとしてランタン・フェスティバルが始まったと聞いた。長崎市は1571年に開港以来、オランダなど海外との交流によって発展してきた。グラバー園などに代表されるように西洋との結びつきも強いが、中国との交流をしのばせる唐人屋敷跡や中国からやってきた僧によって創建された崇福寺、新地中華街など、中国とのつながりも深い。

ランタン・フェスティバルの期間中は中華街はもとより、浜町、商店街、湊公園(=写真)など市内の各地にランタンやオブジェが飾られている。ランタンの数は約1万2000個、オブジェは虎や龍、鳳凰などの動物や人物などがある。2005年のメインオブジェは

干支にちなんだ「金鶏報暁」だった。また、雑技や中国音楽のコンサート、龍踊りや仮装した「皇帝パレード」なども催された。私が訪れたときは残念ながら冷たい雨が降っていたが、湊公園は全国から集まった人でものすごい人だかり。ランタンを背にして訪れた人々が記念写真を撮っていた。 

(文・写真/中島 恵))


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